スーパーインバーとは? 物理特性や加工性について解説します

スーパーインバーは、その驚くべき低熱膨張率により、温度変化があっても形状や寸法がほぼ変わらない特殊合金であり、精密機器や科学機器の製造において不可欠な素材です

従来のインバーと比較して、さらに低い熱膨張率と優れた加工性を実現するスーパーインバーは、半導体製造から航空宇宙産業に至るまで、幅広い分野での精密な要求を満たすために開発されました。

この記事では、スーパーインバーの特性、従来のインバーとの違い、そしてその用途と加工技術について詳しく解説します。

目次

スーパーインバーとは?

スーパーインバーは、熱膨張率が非常に低い特徴を有した特殊な合金です。

この低熱膨張率により、温度変化があっても形状や寸法がほとんど変わらないため、精密機器や科学機器の製造において重要な素材となっています。

スーパーインバーとインバーの違い

スーパーインバーと従来のインバーとの主な違いは、熱膨張率のさらなる低減と加工性の向上にあります。

スーパーインバーは、インバーよりも温度変化に対する反応が小さく、非常に安定した物理的性質を持っています。

そのため、温度変化が頻繁に起こる環境下でも、精密な測定や製造が可能になります。

スーパーインバーの特徴

温度変化による形状変化が少ない

スーパーインバーは、独特な物理的特性を有する特殊合金であり、特にその熱膨張率の低さにおいて価値を発揮しています。

熱膨張率が非常に小さいため、温度の変動が激しい環境下でも、材料の形状や寸法がほぼ変わらないという利点があります(ただし、この熱膨張率の低さを保証するのは約200℃以下の環境に限定されます)。

この性質は、精密機械や科学計測器具の製造において、測定誤差を最小限に抑えるために極めて重要です。

例えば、温度変化に敏感な半導体製造プロセスや、長期間にわたり安定した寸法精度を保持する必要がある航空宇宙部品の製造において、スーパーインバーの使用は不可欠となっています。

加工の難しい素材

スーパーインバーの柔らかさと展延性は、切削加工による精密な加工作業を行う上での困難さを増大させます。

加工時には、材料が損傷を受けないように、また、加工精度を確保するために、高度な技術と経験が必要になります。

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インバーとスーパーインバーの用途

インバーは、その低い熱膨張係数と温度変化による寸法変化が少ない特性から、熱の影響を受けやすい精密機器や装置に広く使用されます。

代表的な用途としては以下のような例が挙げられます。

  • 半導体製造装置
  • 半導体露光装置
  • 光学装置
  • 製造装置
  • 精密検査装置
  • 測定 / 測量機器
  • バイメタルの低膨張側
  • シャドーマスクフレーム
  • 地震活動検出器
  • 航空宇宙産業
  • 複合パーツ用モールド
  • 時計など

スーパーインバーの切削加工に使われる工具とポイント

スーパーインバーの切削加工においては、以下のような工具や手法を活用することで、難削性を克服し、高精度で安定した切削加工を行うことが可能になります。

すくい角の大きい切れ味の鋭い刃物

これらの刃物は、スーパーインバーに限らず軟らかく、粘い材質に対して有効です。

特にインバー、タンタル、ニオブなどの材質に対しては既存の刃物では歯が立たないことが多く、 特注刃物が必要になってくる場合があります。高速度鋼(HSS)や超硬合金

刃先の冷却

切削加工中に刃先周辺に発生する熱は、材料の変形や品質劣化の原因となります。

この問題を解決するために、刃先の冷却技術が重要な役割を果たします。冷却液を用いた冷却システムは、加工中の刃先を効果的に冷却し、熱による材料の変形や損傷を防ぎます。

特に、精密な寸法と表面仕上げが求められる加工において、冷却技術の適用は品質保持のために不可欠です。

ただ切削油中に混入している切粉が影響を及ぼす可能性があるため、切粉対策が必須です。

スーパーインバーの加工は高洋電機にお任せください

高洋電機株式会社では、長年にわたり培ってきた技術力と豊富な経験を活かし、高度な加工技術を要するスーパーインバーの加工に対応しています。

長年にわたる技術の蓄積と、最新の加工技術の導入により、どんなに厳しい仕様の要求にも対応可能です。スーパーインバーの加工をお考えの際は、ぜひ高洋電機にご相談ください。

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